7月17日(土)新書『「気になる子」のとらえ方と対応がわかる本~保育に活かす シュタイナー治療教育』の出版記念を兼ねたオンライン講演会を開催いたしました。
こちらは毎年行う、「子どもの発達障がいを学ぶ」講演会に加えて、山下先生の子どもと障がい理解の基礎となる「シュタイナー治療教育」についても踏み込んだ内容となりました。その中から一部抜粋して報告いたします。
子ども理解とアセスメント
人の見え方・とらえ方はそれぞれ。だからまずは支援者自身のとらえ方を知ることからはじまりました。
支援者は子どもの行動を「事実がどうであるか」よりも、「(自分が)どう感じたか」で受け止めることがあり、それは時に支援者が過去に傷ついたことを思い出させる時もあります。ご自分がどのような感じ方をする癖や傷があるのかを把握しておくことは子どもの理解の前提として役立ちます。
そして「子どもの様子を深く五感を使って観察する」にはどうしたらいいのか、それぞれ3つのポイントについて教えていただきました。
保育現場で観察する3つのポイント
①体重、言葉、成育歴、家庭環境
②園での様子をしっかり観察する 頻度、どんな場面で気になる行動があるのか。
朝の登園での親子の様子など。
③その子どもの医療機関、専門機関へのかかわりはどうなっているのか
このような医学的な観察の他、シュタイナーの考えに基づいて以下のポイントも付け加えられました。
シュタイナーの視点から子どもを観察する3つのポイント
①体を見る 体の様子に表れている現在のあるがままの状態を観察する。
②心を見る 未来について想像する。子どもの内側に存在する力は、幼く固い芽の時には見えないが、大人になってどんな形に花ひらき、実をつけるか、先を想像する。問題を起こしたときに、それをどうとらえどういう力になっていくのか。例えば大人の障がい者施設に行くことは先をイメージするよい研修となる。
③精神を見る 子どもの困難さの中にはメッセージがある。シュタイナーの治療教育では生まれてから大きくなるにつれて困難がなく、すくすく育つことはない。困難があるとき彼らが伝えたい、成長したいというメッセージが必ずある。
山下先生が講義を通して伝えたいポイントは「子どもの輝く個性に目を向けよう。」です。線で理解すること。点で理解すること。それぞれ学ぶことであたたかい目で子どもの成長を支援できるようになりたいと思いました。
発達障がいの子どものための支援者養成講座全4回
具体的な観察やアセスメントについては9月から始まる「オンライン支援者養成講座」で体験を交えて学ぶ予定です。
こちらは1回目を参加していただいた方には部分参加も申し受けますが、2回目以降から参加はできませんので部分参加でも希望の方はまずはお問合せくださいませ。
第1回 9/11(土)「子どもの行動をどう観るか」
・支援者の心構えと視点/アセスメントとは何か
・「気になる」から始まる理解と支援
・子どもの行動の意味を知る
第2回 10/23(土)「感覚から子どもの困難を理解する」1
・感覚統合や感覚の困難について
第3回 11/20(土)「感覚から子どもの困難を理解する」2
・アセスメントのための聴き方
第4回 12/4(土)「子どもとどう関わるか」
・ほめ上手、伝え上手になるヒント
・言葉によるコミュニケーションの困難を支援するには
◆対 象 子どもを支援している方、保護者
◆時 間 13:30〜16:45
13:30~15:00 山下先生による講義
15:15~16:45 ケースをもとにしたグループワーク
◆参加方法 zoomを使用したオンライン講演会
◆参 加 費 全4回 19, 900円(税込)
◆定 員 25名 ※締め切り後も、残席があれば受付けます。
◆お申込 当HPもしくは(Peatix)ページからお申込みください。